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「子供は二歳までに決まるんだって、人生の骨格が」

「それは、割かし早いじゃないか。俺たち何も用意していなかったね」

「お父さんのそういうところが心配なのよ」

「そうだな。俺は大きいことを言うだけで、全然実行が伴わないから」

「エー、でも毎日実行している。それは間違いない」

「それは、・・・そうだな」


その命はニャンコという名ではなく、和尊という名前がついていた。

「お前達、この名前はなんて呼ぶんだ?」

「お父さん、ワタルです」

「そうか、ワタルと呼ぶのか。ずいぶんと高貴な名前をつけたな。これ以上素晴らしい名前は考えられないだろう。誰だったかな、『和をもって尊しと成す』と言ったのは、聖徳太子ではないか。恐れ多いが、お前達の言う白い波音の子供達であれば、それぐらいの名は必要だし、生涯にそれだけのことはやって欲しいな。それはお前達と子供のもって生まれたものに拠るだろう。そうだ、忘れるといけないから今言っておくが、子供が一歳になったときだったと思うが、餅踏みと言って、大きな一抱えほどある餅をついて、昔は草鞋だったが、今は靴を履かせてもちを踏ませるのだ『ヨイショ』と掛け声を掛けてな」



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posted at 20:11 | 小説・文学 | TB(0) | CM(0)


「あなた、ちょっとそこのミルクとって。この忙しいニャンコちゃんに上げるから」

「おいおい、我が子に対して猫呼ばわりはないだろう」

「良いの、それほど可愛いいということだから」

「でも、子供にどう呼ばせようか?俺たちのこと」

「だったらお父さんで良いのじゃないの。私のお父さんにはかわいそうだけど、爺ちゃんと呼ばなくてはいけなくなるわね」

「エー、お父さんを爺ちゃんと呼ぶのか?」

「何か変な感じね。今日実験して見ようか?」

「俺はまだ良いよ」

 泣き声や動作で自分のしてもらいたいことを教えるなんて誰が考えたのかしら。私たち、これで結構会話が出来ている。ミルクとか、歌って欲しいとか、おしめを換えてとか、降ろせとか、いろんな意思表示をしている。これらを組み合わせることで、選択肢を増やしている。

 あるときは強くないたり、泣きまねもする。そのうちに笑い方も覚え、親との対話を楽しむようになる。幼児が何を教えているか分からない事がある。そのときは要注意。

 それは今までとまったく違ったものを要求しているから。幼児は生まれたときから著しく成長し続けている。彼らの成長が勝っていると、対話がギクシャクして成り立たなくなる。彼らの成長と共に、加速度的に成長しなければ、子供の成長を著しく阻害する。

 胎教に良いからと胎児に聞かせる音楽も、子供と対話しながら行われるのでなければ、おなかの子にとっては、たまらなく苦痛であるかもしれない。 良い音楽は、一括りの単なる心地よい音ではなく、彼らは常に比較し、違いを感じながら、心身の血や肉となる栄養素を摂取している。

 自分で動くことが出来ないから、ことさら、このような基本的な能力が発達しているのかもしれない。ところが、そんなに神経質に考える事は無くて、ほったらかしでも子供は好きなように成長していく。

 そのような土壌にも豊かな感受性を持った種は発芽する。いづれにせよ、発芽した芽を枯らさないように注意深く水遣りを行い、着せすぎないよう温度管理にも気をつけるということかしら。


posted at 21:37 | 小説・文学 | TB(0) | CM(0)



「いやいや、君にそのような考えがあるとは思わなかった。いや、実に良い。俺も賛同する。しかし、君はそのような大きな事を言う割には準備が足りないのではないか?地球儀は用意しているか?」

「お父さん、それはまだ早いわよ。私たちが今からしっかり教育の事は考えるから、三郎さんを信じてあげなさい」

「お前、やけに彼の肩を持つではないか」

「私、良い旦那さんを見つけたと思っているの。私、ちまちまと人のことあれこれ言うの大嫌いなの。そこには何も生まれない。人の悪口を言いあい、お互い非難しあい生きることに何の意味があるの?と思っていた。私の旦那さん、国家国民じゃ駄目なんだと言い張り、それを打ち破れる人を育成しようとしている。その実験台に自分達がなろうとしている。いいじゃない。やってやろうじゃない、と粋に感じるのよ」

「お前も変わったな」

「そうね。ちょっと大げさだけど、良い女が良い地球を作るんじゃない」



posted at 21:46 | 小説・文学 | TB(0) | CM(0)


「我が白い波音は世界平和に貢献するものでないといけないな」

「そうね。子供も生まれたことだし、この子供達の未来をどうするかは重大な問題だと思う。でも、女性が優位に立っていないから分からないけど、男性優位の世界というか、今までの社会は権力が優先されたという感じが否めませんね」

「仕組みより権力だからね。強い事はまず絶対条件だね。でも、日本国民は先の戦争で、この絶対的権力で戦争に追いやられた経験をしているので、強いという事には懐疑的ですね」

「オイ、お前達。白い波音とは何だ?」

「あら、お父さん」

「今日は犬の散歩はよろしいのですか?」

「ああ、朝したから、もう良いのだ。ハナもだいぶ弱ってきて、弱ると言うのは加速度的だな。犬は後ろ足から弱ると言うが、50センチの高さも飛び上がれなくなった。後ろ足がついていかないからこけてしまうのだ。犬が転ぶというのは本当にさまにならない。半年前までは、どんどん俺を引っ張って歩いていたのだが、今は、俺より前は歩かない。逆に、俺が引っ張って歩く始末だ。うちへ来て十二年、そろそろ高齢者の仲間入りかな。それはさておき、先ほどの白い波音、あれは何の呪いだ」

「ああ、あれですか」

「あれはね、お父さん。三郎さんが、子供をいっぱい作って、それでいろんなことをしたいんだって。それも、お父さんが今までできなかった事を実現したいと張り切っているの。その名前を考えるとき、普通なら、何とかブラザーズなんて考えるじゃない。この人、私のイメージを彼の考える団体名にしたのよ。私、そう言われると何か認められているみたいで、反対し切れなかったの」

「そうか。三郎君、なかなか殊勝な心がけだ。君がやってくれるのは嬉しいが、子供達、いや俺の孫達も巻き添えにしないでくれ。地に足のついていない無鉄砲な人生に俺の孫をつき合わせる気か?」

「お父さん、地に足をつけていないということは無いでしょう?その上、無鉄砲な人生とは酷評です。そこまで言われるなら私も言いますが、人は生れ落ちて高々七十年位しかこの世に存在しません。最初の二十年が学習のために使われたら、残りの五十年間で何をするかではないですか?だから、国家国民が先ではないのです。国家国民より先に、自分が何をしなければならないかが問題です。歴史を知るお父さんも良くご存知のように、わずか数百年前、日本の戦国時代は、市民、県民単位でお互い武装して戦争をしていた。これは、今の私たちから見れば信じられないことです。隣町と槍や刀を持ってお互い力を誇示しあい、命の駆け引きをしていたのですから。
現在このようなばかげた事は誰もしません。市や県単位でお互い名指しで批判しあい、緊張を高め、絶対妥協しないとは誰も言いません。国際社会も過渡期ですから、地球上の国家もいろいろな事情を抱えていて、一朝一夕に、仲良くご飯を食べあう事が出来ない事情も分かりますが、だから、このままで良いとは言えないでしょう。そこに風穴を開けるのが、人類が待望する素晴らしい人間ではないですか?此処のところの、この発言が私は甘いと言われるのですが。何も、喧嘩をする必要もないし、いざこざを起こす必要もないのです。お互いの国家が、国家国民にとらわれない最高の人間をより多く作り上げる事です。そこで私は、一ダースの人間を育てようと思ったのです。お父さん、この私の考えが地に足がついていないのでしょうか?そして、無鉄砲と言えるのでしょうか?」
posted at 19:06 | 小説・文学 | TB(0) | CM(0)

「こんなものを俺が抱いたら首が折れてしまうではないか。それに、俺の病原菌がこいつに移って、病気にでもなったらどうするのだ」

「大丈夫」と私が言ったので、彼が上手に赤ん坊を抱き、父のほうへ向けた。

 ぎこちない手の動きで心配したが、父も私たちを抱いた経験があるので、不安定な首の方から先に手をいれ白い布に包まれた身体をすかさず受け取って顔を近づけた。
その顔は、赤ん坊に対し、なんと言ってよいか分からないような顔で、それでも何とか言葉をかけてやりたいのか、不思議な顔をしていた。
五体満足で、このような場面に出くわせた事に感謝した。

 世の中には、このような幸せをかんじられない人もいるのだから。生まれたときから、ハンディを背負っていかなくては成らない人達は、この日から気を強くもって、自分と子供の幸せをどう実現していくか?
喜び以上に厳しい現実に直面した事をひしひしと感じるかもしれない。泣いても、笑っても、悔やんでも、今の現実はずっと続く。どんなにあがいても、この現実から逃れる事は出来ない。

 でも、精一杯、自分のしなければならない責務を果たす事で、普通の人の知らないことを知り、幸せを違った角度から見れる。幸せは一様でなく、もっと多様だと思う。

 とは言え、このような人達を出来るだけ少なくするためにも、この地球上から人類が排出する汚染物質を詳しく調べ、排除する対策を徹底して行わなくてはならない。

 豊かな社会とは、決して自宅に札束があることではなく、母子共に健康で生きられる社会があることではなかろうか?




posted at 21:48 | 小説・文学 | TB(0) | CM(0)

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ゆったりとした時間軸に竿を差して流れていますね。物語を書くことは、将来に向かって流れている人類の時間軸が与えてくれた役割だと思うようにしています。…その様に考えることで、誰にでも訪れる一日が楽しく過ごせると思います。

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